現在2026年3月17日です。出産シーズンが終わりに近づいています。
種付けをしたメス羊19頭のうち16頭が出産し、仔羊は29頭になりました。
今のところ、事故なく全母子ともに元気に過ごしています。
そんな中、1頭だけ「腟脱」の症状が見られた羊がいましたので、備忘録としてこちらに記載いたします。
初期の症状
2月21日朝のエサやり後、黄181(サフォーク2歳未経産)が横になった状態でいきんでいる様子が確認されました。破水はしておらず、腹に力を入れて唸っている状態です。
おっぱいは以前より大きくなり、外陰部も赤みが増して妊娠の兆候は見られていたものの、分娩直前に見られるような急激なおっぱいの膨張や腹部の下垂などは見られなかったため、不思議に思いました。
陣痛の可能性を考え、その後は1時間おきに観察しました。
昼頃の観察では立って草を食べており、普段と変わらない様子に戻っていました。
その後、夕方のエサやり時も食欲は普段と変わらず、しっかりと食べていました。
朝の様子が陣痛だとしたら破水までの時間が長すぎるので「子宮頸管開大不全」や「子宮捻転」を疑いましたが、とりあえず翌日まで様子を見ることにしました。
翌日に腟脱し始める
翌日も横になった時にいきんでいる様子が見られました。そして外陰部から膣内部が出てくる腟脱を起こしていました。観察していると立った時には元に戻ったので軽度と判断し、特に何もせず様子見することにしました。
立っている状態ではいきんでおらず、横になると時々苦しそうに唸っていきむ→腟脱といった状態で、なぜそんなに力を入れてしまうのか分からず困惑しました。黄181は未経産でBCSは3.0くらいで過肥と言えるほどでも無かったので、原因はわかりませんでした。
リテーナー(膣位安定具)を装着
翌日23日、腟脱の状態が悪化し立っても戻りづらくなっていたのでリテーナーを装着しました。平ぺったい形状のプラスチックを膣に差し込んで両脇を紐で羊に結んで膣が外に出てこないようにする器具です。(https://item.rakuten.co.jp/surge-m/5222/)
装着時には逆性石鹸液で外陰部やリテーナーを消毒して、ローションをつけて差し込みます。
つけ方が緩すぎたようで翌日外れていました。付け直しましたがその後も2,3回外れてしまいました。その度に消毒液などを用意し、羊を保定し、一人が羊が動かないようにサポートしなければいけないので、手間と時間をかけることになりました。
膣脱防止用分娩ハーネスを装着
翌日25日、リテーナーがうまくいかないのでハーネス型の腟脱防止器具を使うことにしました。(https://item.rakuten.co.jp/surge-m/5060/)
外陰部を外側から2本のゴムチューブで押さえ込み、ハーネスで固定する器具です。最初は使い方がよくわかりませんでしたが、バックルで簡単に固定でき、羊も苦しそうには見えませんでした。
その後、膣が出てきてしまっていたので何度かゴムチューブの位置やベルトの長さを調節し直したら出てこなくなりました。締め直しの際も、ハーネスがついているので羊を捕まえやすく、一人でも簡単に調節できたので良かったです。ゴムチューブで陰部を押さえていますが排泄は問題なさそうでした。
黄181はその後も横になると時折いきんでいましたが、食欲は普段と変わらず、反芻もしている様子で数日経過しました。
3月3日 出産
3月3日朝のエサやり時に黄181の破水を確認し、ハーネスを外しました。
その後、4.0kgと4.6kgの双子を自然分娩しました。
無事に生まれて良かったです。ハーネス装着が原因かはわかりませんが初乳の粘度が高く、最初はほとんど搾れませんでしたが、数時間後には普通の状態になりました。
もしハーネスが血流を抑えているとしたら困るので、その後はハーネスを装着せず様子を見ました。
ハーネス再度装着と取り外し
3月6日、黄181は順調に子育てをしていました。いきむことは無くなりましたが、横になったり仔羊を呼ぶために鳴いたりすると膣が一時的に出てきて、なかなか治らない様子だったのでハーネスを付けることにしました。
この時、大きくなったおっぱいにベルトが当たらないように気をつけたつもりでしたが3月16日にハーネスを外したところ、ベルトの股部分に匂いのある膿がついていました。羊をひっくり返して確認したところ、また擦れを起こしていたようです。
ヨーチンで消毒し、付近の汚毛を切って処置しました。現在のところ、乳房炎の様子もなく仔羊も乳を飲めているようでしたが、羊に痛い思いをさせてしまって申し訳なかったです。
その後、膣は出てきていません。
まとめ
今回、自分たちの羊で初めて腟脱の症状に対処しました。
リテーナーの付け方が下手くそすぎたこともあり、腟脱防止ハーネスを使う初めての機会でした。ハーネスは一人でも簡単に取り付けと調節することができ、使い勝手が良かったです。
ただ、取り付けの際に気をつけないと羊に傷をつけてしまうことになるので要注意ではありました。
一方、黄181は未経産で、孕んでいた仔羊も平均的な大きさの双子で、普通に考えれば腟脱の可能性は低い状態だったので、今回腟脱に至った原因が分からないままです。黄181は2年前の仔羊時代に、ロール柵に首を挟んでしまう事故を起こし、後遺症として時々首が曲げにくそうだったり、うたた寝の時に首が座っていなかったりしていたので、それが一因になった可能性も考えましたが、よくわかりません。
羊の管理、まだよく分からないことばかりです。






↑黄181とその仔羊
